購入報告:2021年1月

ブログの更新頻度を上げるため、購入ペースの把握と抑制のため、

今年から購入したボードゲームをブログに残そうと思います。



今月届いたボードゲームは、全部で7個でした。





1.KANBAN EV


f:id:show5bodoge:20210126155831j:plain


1つ目はこちら。

昨年の初頭にキックしていたヴィタル・ラセルダの新作が届きました。


自動車工場の新入社員となって、上司のパワハラに耐えながら昇進を目指すゲームです。

2014年の作品『KANBAN』のリメイクで、細かいルール調整が入っているとのこと。


前作も含め未プレイですが、ラセルダ氏特有の様々な要素が複雑に絡む重量級ゲームのようです。

アークライト社から日本語版も発売予定となっています。



2.エスケーププラン


f:id:show5bodoge:20210126155843j:plain


『KANBAN EV』のアドオンで同時注文しました。

こちらもラセルダ作品となっていますが、同氏のデザインとしては比較的シンプルになっています。


プレイヤーは銀行強盗となって、警察の目を避けつつ隠した札束を集め、最終的に1ヵ所に絞られる出口から脱出するゲームです。

できる限り多くのお金(勝利点)を集めたいが、後から脱出するためには現金が必要となります。

現金が不足して脱出できないとその時点で脱落となるため、対戦相手の動向を見ながらどこまで粘るかのヒリヒリ感が面白いです。



3.リバーボート


f:id:show5bodoge:20210126155853j:plain


ドイツアマゾンで安くなっていたので購入しました。

ミヒャエル・キースリング作、ミドルレンジのタイル配置ゲームです。


コテコテ感はないがしっかりとジレンマがあり、遊びやすい良作です。

リソースを支払うことで運要素を0にできる点は拘りがあって面白いと思います。

この年は『アズール』『ヘブン&エール』も発売されており、キースリングがノリに乗ってますね。



4.ディズル


f:id:show5bodoge:20210126155904j:plain


こちらもドイツアマゾンでまとめ買い。

2019年のSDJ推薦リスト入りした紙ペンゲームです。


ダイスドラフトしながら対応する目のマスを埋めていき、特定のマスや列を埋めて点数を獲得します。

配置制限が厳しいので、他人の配置できるダイスをうまく絞るのが重要になりそうです。


ダイスが配置できなくなるとパスor全ダイス振りなおしができるので、思わぬ展開になるやも。

ペンゲームながらインタラクションがしっかりとついている点がきになる購入しました。



5.ヴィレッジグリーン


f:id:show5bodoge:20210126155910j:plain


ドイツアマゾンのまとめ買いリストその3。

昨年のエッセン新作です。


各自、4×4になるようにカードを配置して得点を競います。

要素となるグリーンカードと、該当列の得点ルールを決めるアワードカードを上手く組み合わせるパズルゲームです。


プレイ時間は30分ながら、しっかりと悩みどころがありそうですね。

グリーンカードに描かれた花の色と形が重要ですが、(特に黄色の)視認性が悪い点がやや気になります。



6.ビス20


f:id:show5bodoge:20210126155916j:plain


ドイツアマゾンのまとめ買いリストその4。

ギュンター・ブルクハルト親子がデザインした、こちらも昨年のエッセン新作です。


こちらは協力ゲームとなっており、全員で1から20まで数えるだけのゲームです。

そこに、プレイヤーを混乱させるルールがだんだんと増えていきます。


レビューでも見かけましたが、ただ順番に数を言うだけなのに緊張が走りそうです。



7.マカオ


f:id:show5bodoge:20210126155937j:plain


うおおおおおおおお!!!!


絶版となっていたアレア×フェルトの名作ですね。

ヤフオクで新品をみつけたので落札しました。


ルールを読む限り、昨今のゲームにはない荒々しさがありそう。

ダイス目の補正も無いので、システムに翻弄されながらも上手に乗りきるのが重要そうです。




今月は以上です。

それでは皆様も良きボードゲームライフを。

ハンザテウトニカ


どいてくれ

そこは俺らの

通商路



ハンザテウトニカ (2009)

Andreas Steding

  • プレイ人数:2~5人
  • プレイ時間:45~90分

f:id:show5bodoge:20210107152856j:plain

評価(S~E)

  • 複雑さ : B
  • インタラクション : A+
  • 戦略性 : A+
  • 私は好き度 : A

POSITIVES

  • 渋い睨み合いのインタラクション
  • 個人能力の解放か得点行動かのジレンマ

NEGATIVES

  • プレイヤー間でバランスを取る必要がある




中世、ドイツの北部を中心に栄えた都市同盟の「ハンザ」の中で、

プレイヤーは商人となって通商ルートを構築するゲームである。

拡張マップ2種とミニ拡張が同梱される、ビッグボックスの日本語版発売で話題となった作品だ。


本作は比較的シンプルなアクションポイント制のルート構築だ。

個人ボードには5種類のパラメータが描かれており、ゲームが進むにつれて能力を解放していく。

後に『テラミスティカ』などで採用されるシステムだ。


アクションは、

  • 『コマの配置』

  • 『コマの移動』

  • 『相手のコマの押し出し』

  • 『ストックからコマを補充』

  • 『通商路の確立』

の5種類のみだ。

お金や資材といったリソースは無く、配置するコマも2種類だけとなっており、プレイ時間に反して極度にシンプルな構成となっている。


ゲームボードはいくつかの都市が道でつながっており、すべての道は2~4個のコマを置くスペースが存在する。

プレイヤーは、確立させたい道のすべてのスペースに自分のコマを置くことで、『通商路の確立』を行うことができる。

これにより、個人ボードの能力を解放させたり、道の両端にある都市に商館を建てて勝利点を得たりする。


f:id:show5bodoge:20210106125656j:plain


さて、本作の特徴として挙げられるのが、『コマの押し出し』アクションである。

基本的に1アクションで1個のコマしか置けず、ゲーム開始時は2アクションしかできないため、

道のすべてのスペースを埋める前に簡単に妨害されてしまうのだ。


そこで、邪魔な相手のコマを押し出して、自分のコマを置くことができる『コマの押し出し』アクションが重要になる。

追加でコマを1つか2つストックに戻す必要があるが、道の独占のためには必要経費だ。


ここまでならシンプルな陣取りのようだが、本作では押し出された側のプレイヤーに『補償』がつく。

押し出されたコマは隣接する道の空きスペースに移動できるのに加え、ストックからさらに追加でコマを配置できるのだ


これはかなり強力だ。

本来なら『ストックから補充』→『コマの配置』と2アクションかかるものをを無償で行えてしまうのだから。

誰かが道を独占しようとすると、ここぞとばかりに「押し出してくれ!」と妨害が入ってくるのだ。


さらに、先述したスキルの解放は特定の都市に隣接した道でしか実行できない。

特に『アクションポイントの増加』は、序盤に最優先で狙うため激戦区になりやすい。

相手の利益に目をつぶってでも押し出す必要が出てくるのが非常にいやらしい。


~~~


また、ゲーム終了のタイミングを睨んでの駆け引きも気に入っている部分の1つだ。

個人ボードの能力を解放することで、自身が強化されるのは勿論、使えるコマの総数も増えるため積極的に狙っていきたい。


しかし、能力の解放だけやっていても勝てないのがこのゲームだ。

終了条件はいくつかあるが、代表的なのは『誰かが20点に到達する』である。

5種類の能力を納得のいくまで解放していたら、いつの間にかゲーム終了なんてこともあり得る。


ゲーム中および終了時の勝利点は、通商路を確立させたときに商館を建てることで獲得できる。

『商館の建設』と『能力の解放』は同時には行えないので、どの能力をどこまで解放させるか、どのタイミングで商館を建設するかが重要だ。


加えて言うと、能力の解放は特定の通商路を確立させた際に実行できると書いたが、

通商路の確立を行うと、その両端の都市を支配している(より多くの商館を建てている)プレイヤーに勝利点が入る。

早々に商館を建てられてしまうと、能力を解放するたびに相手に勝利点が入ってしまうのも、これまたいやらしいルールだ。


f:id:show5bodoge:20210107153348j:plain この図だと、が通商路を確立するとに勝利点が入る


ここまで述べた通り、近年のゲームのような多種多様なアクションや特殊効果によるソリティア感は殆どない。

ほぼ公開情報でバチバチのインタラクション、ゲームバランスはプレイヤー間が取らなければならない古臭さの残る作品だ。


全体的に粗さが目立つものの、このゲームでしか味わえない魅力も確かに存在する。

コアなゲーマーの琴線に触れる名作が、ビッグボックスとなって再版されるのは喜ばしい限りだ。

2020年のボードゲーム10選

年の瀬ですね。

どうも、僕です。


2020年もあっという間でした。

なかなかボードゲームを遊ぶ機会の少ない情勢でしたが、

そんな中でも遊んでいただいた皆さま、本当にありがとうございました。


さて、ほとんど更新していなかったこのブログですが、流石にこのまま埋もれさせるのは忍びない。

そこで、今年初プレイのボードゲームの中で、特に面白かった10タイトルを振り返ってみようと思います。



1.オンマーズ

f:id:show5bodoge:20201231204557j:plain

名作の重量級ゲームを多数手掛けるラセルダによる火星開拓ゲーム。

要素モリモリのワーカープレイスメントで、他人の能力を利用させてもらう協力関係も面白い作品でした。


日本語版も発表されており、ヴィニョスやギャラリストといった過去作も日本流通が決まって、今年はラセルダイヤーと言っても過言ではないかも。

年明けには新作のカンバンEVも届きそうなので、期待が高まります。



2.エスペライゼーション

f:id:show5bodoge:20201231205329j:plain

言語創生を行う、協力コミュニケーションゲーム。

やっている事はボブジテンなどと同じお題当てゲームですが、時代が進むごとに新たな言語を身につけていき、より難しい単語を説明できるようになる拡大要素が面白かったです。


ゲーム中は「ボボゲ、ボボゲ、ヤバラス、エレポッポ」と言った意味不明な言葉が飛び交いますが、本人たちは至って真面目です。

ゲームを進めると文法が自然に浸透していくのも、このゲームならではの楽しみですね。



3.エルグランデ

f:id:show5bodoge:20201231210534j:plain

ご存知、クラマー&ウルリッヒによるエリアマジョリティの傑作ですね。

これまでプレイしてなかったのが勿体ないレベルの名作です。


競りのようなパワーカードのマネジメントと、決算時に援軍を送り込める塔の要素が、古臭さを感じさせない味付けになっていました。

拡張も高い評価を得ているので、遊んでみたいですな。



4.スリル

f:id:show5bodoge:20201231210945j:plain

クラマーからもう一作品。

見た目で分かる通り、メダル落としゲームです。


これだけだとたくさん落としたくなりますが、メダルを落とすと失点します。

なので、メダル落とし役を他人に押し付ける競りをします(笑)


短時間で遊べて、思いがけない動きによるアクシデントが楽しいゲームでした。



5.キッチンラッシュ

f:id:show5bodoge:20201231211634j:plain

リアルタイムの協力ワーカープレイスメントです。

レストランの厨房の忙しさが再現できます。


4分という限られた時間で、1つでも多くの注文を達成することを目標とします。

やることは調理だけではなく、材料や調味料の買い出し、皿洗い、レストランの設備の改善と大忙し。

プレイ時間に反して、遊ぶとかなり疲れますが、不思議な中毒性があります。



6.薔薇の名前

f:id:show5bodoge:20201231212442j:plain

フェルト作品から、絶版となってしまったこの作品が選ばれました。

4人でも面白い正体隠匿ゲームとして、かなり好きなゲームです。


各自、担当する色の修道士のアリバイを作り、他の修道士に犯行をなすりつけてやります。

ラウンドの終了トリガーを引かないように、チップを吐き出させ合うのが個人的に好きですね。



7.アークライト

f:id:show5bodoge:20201231212827j:plain

シュピールヴォルクスの経済ゲーム。

まだ基本ルールしか遊んでませんが、ずっしりとした面白さがありました。


何をするにも金、金、金。

作った商品が売れるかどうかは他プレイヤーとの需要の取り合いですが、ほとんど売れなくても作業員の給料はしっかり払わなければいけません。

ヒリヒリする経済マルチのオススメ作品です。


8.ブリュッセル1893

f:id:show5bodoge:20201231225316j:plain

ワーカープレイスメント×競り×エリアマジョリティのコッテリゲーム。

各要素が複雑に絡み合っており、インタラクションも充分な良作でした。


先手有利のワカプレ部分と、後手有利の競り部分を一緒にやるというのがこのゲームの魅力だと思います。



9.イスタンブール:グランドバザー

f:id:show5bodoge:20201231214711j:plain

イスタンブールの拡張2種類を組み合わせたルールです。

今年はビッグボックスの日本語版も話題になりましたね。


元のゲームも好きですが、拡張により戦略が増えて深みが増しました。

マップが広くなることにより移動が大変になるのも、良いアクセントになってます。



10.ザ・クルー

f:id:show5bodoge:20201231215223j:plain

今年のKDJ受賞作ですね。

こんなメジャータイトル入れるのは悔しいですが面白いです。


中毒性なら断トツでしょう。

トリックテイキング好きなら間違いなく楽しめます。

偶に絶対クリアできないのが判明するのもご愛嬌。




以上です。

繰り返しになりますが、遊んでいただいた皆さまのおかげで、楽しい1年でした。


また来年も、新たな作品に出会えるのが楽しみです。

アンタークティカ


南極に

馳せる思いは

ビッグマネー



アンタークティカ (2015)

Charles Chevallier

  • プレイ人数:2~4人
  • プレイ時間:45~90分

f:id:show5bodoge:20200731111512j:plain

評価(S~E)

  • 複雑さ : B
  • インタラクション : A+
  • 戦略性 : B+
  • 私は好き度 : A+

POSITIVES

  • 4種のマジョリティ争いによる、シンプルながら複雑な絡み合い
  • 手番システムと得点計算からなるジレンマ

NEGATIVES

  • 初回プレイでは勘所が掴みにくい
  • 渋いマジョリティ争いなため派手さは無い




遥か未来、南極で資源を採掘するために調査センターを建設する。

科学の進歩に貢献して巨額の富...... もとい、人々からの賞賛を得るゲームだ。


システムとしては、4種類のマジョリティによる得点を競う。

  • 8箇所のエリアに置かれた科学者コマのマジョリティ
  • 5本の調査トラックをどれだけ進めたかのマジョリティ
  • 特定の建物を建設した数のマジョリティ
  • 捨てた資源の数のマジョリティ


これらについて、名作である『王と枢機卿と同じ要領で得点計算を行う。

1位プレイヤーはそのエリアのコマの総数分の勝利点を得る。

2位プレイヤーは1位プレイヤーのコマ数分の勝利点を、3位は2位のコマ数の勝利点を......という具合だ。


このルールだけでもうゲームが面白くなる、完成されたシステムの1つだろう。

断トツで1位になることは2位のプレイヤーに大きな利益を与える。

できるだけ接戦で勝つことが要求されるため、自然と争いが激化して頭を悩ませる。


~~~


更にこのゲームの独特な面白さを生んでいるのは、『手番システム』だろう。

プレイヤーはいくつかある自身の船を8ヵ所のエリアに停めており、 各エリアを反時計周りに動く太陽コマが来た時に手番を行うことができる。


手番では船を別エリアに動かす必要がある。

動かした先のエリアに対して、科学者コマを置いて建物を建設することができる。


各エリアには3隻まで船を停めることができるが、先頭の船コマのプレイヤーしか手番を行えない。

2番目3番目の船は太陽が一周するのを待たなくてはいけないので、後ろにつけてばかりだと手が遅れることとなる。


f:id:show5bodoge:20200731111850j:plain 人気のエリアに集中する


先の得点ルールと手番システムの妙こそ、このゲームの肝である。


先述の通り、より接戦で1位を取ることが勝利点を稼ぐために必要だ。

しかし、接戦で勝つためにはそのエリアに相手の船も停まることになる。


人が集まる人気エリアにコマを置きたいが、そうすると結果的に手番は遅れていく。

エリアのマジョリティに注力しすぎると、 科学者コマをストックから補充や、調査トラックの前進にまで手が回らなくなってしまう。


あっちを立てればこっちが立たず

古き良きシステムを、現代向きに洗練しつつも泥臭さを残した作品である。


~~~


欠点を挙げるならば、やはりクセの強さから来るとっつき辛さだろう。

プレイヤー全員がシステムを理解し、自分と相手の損得を考慮することで一手の悩ましさが確立する。


後半からの巻き返しが難いので、序盤の動きには経験の差が出てしまうのも否めない。

(終盤になってミスに気づき、また最初から遊びたいと思えるのは良いゲームの証拠でもあるが......)


f:id:show5bodoge:20200716152219j:plain


シンプルで明確ながら、実際にプレイすると複雑に感じるジレンマが素晴らしい。

ピュアユーロを現代に蘇らせたかのようなインタラクティブな良作だ。


知名度こそ低いが、クセの強いゲーマーズゲームとして確かな面白さを持っている。

知られずに埋もれていくにはあまりにも惜しい。

パラディンズ オブ ザ ウエストキングダム


敵を討ち

祖国を護れ

騎士共よ



パラディンズ オブ ザ ウエストキングダム(2019)

Shem Phillips

  • プレイ人数:1〜4人
  • プレイ時間:90〜120分

評価(S~E)

  • 複雑さ : B+
  • インタラクション : B
  • 戦略性 : A
  • 私は好き度 : A

POSITIVES

  • 自国を強化するフレーバーにマッチした、拡大再生産ライクなシステム
  • ソロプレイ重視の前半から、インタラクションの生まれる後半に移る2段階のプレイ感

NEGATIVES

  • 疑惑カードの運要素が大きい




邦題は

西フランク王国の聖騎士」

西フランク王国3部作の2作目にあたる。


今回のテーマは王国から派遣された騎士の力を借りて、外敵の攻撃に備えて国を強化していく。

国には軍事力影響力信用の3つのパラメータがある。

これらのパラメータを強化することが勝利点にもなり、様々なアクションの効果を高めることにも繋がる。



ゲームは全7ラウンド。

個人ボードにワーカーを配置してアクションを行っていくタイプのワーカープレイスメントである。


また、全員共通の12枚の騎士カードからなるデッキを持つ。

毎ラウンド1枚の騎士カードの力を選び、パラメータやアクションの一時的な強化が可能である


毎回3枚の騎士カードから1枚を選ぶ


ワーカーには色があり、『オルレアン』などと同様に特定の色のワーカーしか配置できないスペースが存在する。

使用できるワーカーは固定ではなく、ラウンドごとに行う公開ドラフトと選択した騎士カードによって決まる。


そのため、欲しいワーカーが獲得できるかは運要素が絡んでくる。

しかし、使わなかったワーカーの持ち越しワーカーを置くスペースを永続的に埋める作業場などを駆使して、上手にアクションをこなすことが求められる。


~~~


個人ボードのアクションは、大きく2つに分類できる。

ボード左側のアクションは、リソースを獲得したり作業場を建設したりと言ったサポート的な行動になっている。



ゲームの序盤はこちらをメインに進めていくことになるだろう。

他プレイヤーとのインタラクションはほとんどなく、どのパラメータを重視するかの方針決めの段階となる。



一方、個人ボード右側のアクションはパラメータ上昇および勝利点の獲得のための行動となる。

アクションを実行するためには特定のパラメータが必要で、ボーナスとして異なるパラメータが強化される。



これらのアクションでは、パラメータの強化と同時にリソースやワーカーなどのボーナスも貰える。

アクションによってはボーナスが先着になっているため、早取りのインタラクションが生まれる。


さらに特徴的なポイントとして、異なるパラメータが必要となる2種類のアクションが、早取りの対象が共通になっているものがある。

例えば、外敵を攻撃するアクションは軍事力が必要となり、場に並べられた外敵カードに描かれた撃退ボーナスを得ることができる。

一方で、外敵を仲間に引き入れるアクションは信用が必要となり、こちらも場に並べられた外敵カードを獲得して勝利点ボーナスを得ることができる。


ボーナスや敵カードの早取り


このように1枚のカードに複数の獲得手段やボーナスがあるため、他プレイヤーの動向にも気を配る必要がでてくる。


~~~


本作の特徴として、ゲームの序盤から終盤にかけてのプレイ感の変動が挙げられるだろう。

先述の通り、序盤は基盤作りが主となるため、個人でワーカーやリソースをこねくり回すソロプレイ感が強くなる。


ゲームが進みアクションの基盤が出来上がると、共通の盤面への干渉が発生してインタラクションが増す。

さらにラウンドが進むと、個人ボードとは別に共通のアクションスペースも追加されるため、どこを優先させるかのジレンマが生まれる。



前作にあたるアーキテクツ オブ ザ ウエストキングダムに比べて重厚感のあるゲームとなった。

キレの良さと独創性が持ち味の前作に対して、本作はボードゲームとして正統派の面白さを持っている。


借金システムはやや蛇足に感じるが、総合的に見て完成度の高いヘビーゲームと呼んでいいだろう。

ノートルダム


金払い

ノートルダム

鐘が鳴る



ノートルダム(2007)

Stefan Feld

  • プレイ人数:2〜5人
  • プレイ時間:45〜75分

評価(S~E)

  • 複雑さ : C
  • インタラクション : C+
  • 戦略性 : B
  • 私は好き度 : A+

POSITIVES

  • ドラフト、拡大再生産、リソース管理、カウンティングと様々な要素が綺麗に噛み合っている
  • 教科書のようなバランスの良さに、フェルト特有の悩ましさ

NEGATIVES

  • イメージよりもあっさり終わる




安定の面白さを誇る、シュテファン・フェルト×アレアの大箱シリーズ。

その中から中量級の名作と言っていいノートルダムを紹介しよう。


舞台は14世紀末のパリ。

名家の当主となって自分の担当区画を発展させたり、蔓延する疫病の対策をしたりしながら勝利点を稼ぐ。



同じ構成の9枚のアクションカードから3枚をラウンド開始時に引きドラフトを行う。

その後、3枚の手札から2枚を選択してアクションを実行するシンプルなシステムだ。


アクションは基本的に、自分の区画に影響力マーカーを置いて実行する。

同じアクションを繰り返し実行すると、そのアクションの効果が強力になるので特化したいところだが、

できるアクションはドラフトで決まるため、全部思い通りとはいかない。



全員がアクションを実行したら、続いて人物カードによるアクションを行う。

ラウンドの最初に3枚の人物カードが公開されており、この中のどれを実行するかがアクションカードの選択にも影響する。


人物カードアクションの実行にはお金が必要だ。

どれも強力なので、ここまでに最低でも1金は残しておくべきだろう。



ラウンドの最後には疫病判定を行う。

人物カードに描かれたネズミアイコン数の合計分、疫病マーカーが進む。

これが一定値を超えたプレイヤーは勝利点と影響力マーカーを失ってしまう。


さらに、疫病が発生しても疫病マーカーは0に戻らない。

放置しておくと毎ラウンドどんどん削られるので、しっかり対策を取る必要がある。


これを全9ラウンド行う。

3ラウンドごとの決算や、アクションや人物カードで勝利点を稼いでいく。


~~~


本作は60~90分というレンジのゲームとして、お手本のような作りになっている。

様々な要素の良い部分を抽出し、遊びやすくもゲーマー心に刺さる完成度の高さを持つ。


フェルトのゲームと聞くと重厚で悩まされるゲームというイメージが強い。

しかし本作は、全体的にスムーズなプレイ感で遊べて、かつ要所ではじっくり考える必要もでてくるため、

総じて丁度良い塩梅の中量級ゲーマーズゲームに仕上がっている。



私はボードゲームにおいて「ままならなさ」に楽しさを感じるタイプだ。


例えば、

  • ダイス目によって、できるアクションが制限される
  • 基盤をじっくり準備していたら、ゲームが早くも終了してしまう
  • 他者の介入により、本来よりも手番やコストをかけなければいけない


これらの要素について、『ストレス』と感じるプレイヤーもいれば、筆者のように『面白さ』に感じるプレイヤーもいるだろう。

逆にこれらの要素を薄くすると『爽快感は高い』や、『あっさりで大味』といった感想を持たれやすくなる。


ノートルダム』を見ると、丁度これらの中間辺りに位置するのでは無かろうか。

誰が遊んでも安定して『面白い』と思ってもらえるような、不朽の名作として語り継がれて欲しいものだ。

もし未プレイの方がいるのなら、ぜひ一度は遊んでみてほしい作品である。